食品会社が語る本音 


【3】本場●●、産地表記の謎
店頭に行くと同じような商品が並んでいて
どちらにしようかと迷ったことはありませんか?

そこでの判断基準は、価格であったり、原材料であったり
メーカーであったり、パッケージデザインであったりしますが
商品パッケージに書かれている「地名」「産地」も、
その判断基準の大きな要素ではないでしょうか?

有名な地名・産地・都道府県、また枠を広げて、国産と外国産
魚沼産のコシヒカリ、鹿児島の黒酢、沖縄のもろみ酢、国産牛肉、国産大豆、
地名・産地の名前を聞いただけで、品質のイメージがグレードアップするほど
そこには信用力があります。

また当然、価格もそれに応じて違いますよね
主婦の方ならよく分かると思うのですが
国産で産地表示のある牛肉と、外国の牛肉は価格に雲泥の差があります。
お米なんかもそうでしょう。

産地表示は、JAS規格(Japanese Agricultural Standard 日本農林規格)で
正しく表示するうよう義務付けれていますが
昨今、絶対にあってはならない
この産地表示の偽装問題の大きなニュースがありました。

魚沼産のコシヒカリと表示されているのに、違うものだった
国産牛肉という表示なのに、違うものだった
国産大豆使用と表記されているのに、違うものだった。

私も今まで買い物をする時、それらの表記を信じて
高い対価を支払っていたのに、実は中身は違うものだった。
それらを表記した会社に騙されたわけで、
本当に怒鳴りたくなるくらい腹立たしい思いがしました。
偽装した会社にモラルのかけらも感じられません。
絶対に、このようなことがあってはいけません!

と同時に、振り返って
私は、 同じ食の仕事に携わっています。
常にお客様に信頼して頂けるよう商品開発をしてまいりました。

ところが!この産地表示
非常に複雑な問題も抱えています。

それは、 製品のどの段階の産地を表記するか という問題です。

「鹿児島の黒酢」「沖縄のもろみ酢」

これを聞いて、あなたはどう感じられますか?

「その地域の原材料を使った」
「その地域で作られた」
「その地域の原材料を使い、その地域で作られた」


平成18年5月に公正取引委員会が行った調査
(消費者1077名、黒酢商品439点、もろみ酢158点)の結果では
「その地域の原材料を使い、その地域で作られた」
黒酢が55.0% もろみ酢は57.3%でした。

つまり、半数以上の方が
「その地域の原材料を使い、その地域で作られた」
と思い
私の妻に同じ質問をしたところ、同じ回答でした。

ところが、それらの製造・販売業者では
黒酢の場合、原材料よりも醸造工程が重要であり、
黒酢を作った地域名を表示すべき
また、もろみ酢の場合は、もろみ酢の主原料である「もろみ粕」が
沖縄県特産の泡盛のもろみ粕かどうかが重要であり
「もろみ粕」、すなわち 原材料の産地を表示すべきであると考えられている。
このようなヒアリング結果がありました。

つまり、製品によっては、どこの過程が重要であるか
その重要な過程の地域を表示すべきであるという考えなのです。


いかがでしょう?確かにその通りなのですが
非常に誤解を生みやすいと思いませんか?

公正取引委員会は、製造・販売業者に対して
「●●の黒酢」「●●のもろみ酢」(●●は地域等)を
表記する場合は、●●は原材料の地域を意味するのか、
製造された地を示すのか分かるように
表記することが望ましいと述べてます。

一番いいのは、
その場所で獲れたものを、その場所で製品化されればいいのですが
原材料の手配、製造設備etcさまざまな要素でそうはいかないのも現実です。

産地表示をする際は、
法を守っているからいいという問題ではなく
どの段階のものを、どれだけ使ったか
消費者に誤解の無いよう、表記すべきだと思うのです。

中には、物理的に表示ができないケースもあります。
例えば、パッケージやラベルが小さくて
表示するスペースが無いものも中にはあります。

しかし、チラシを一緒にするとか
ホームページで公開するなど、工夫はあると思います。

だから、私は
産地表示をする時は、誤解のない表示をすることに決めました。

>>【4】「何を信じていいか分からない」


食品会社が語る本音

生搾りどくだみ青汁酒、開発の5つのポイント

お問合せ

食援隊・案内
食援隊・案内

お客様からお寄せ頂きました
「よくある質問」をまとめました。
ご質問がございましたら、
まずはこちらからどうぞ。
●よくある質問・お問合せフォーム●